・ガス料金が高いとお考えの方
・ガス料金の節約の方法を知りたい方
・ガス会社の変更は難しい方

ガス料金が高い…
ガス、特にプロパンガスをお使いの方は、こんなことを思うことはありませんか?
僕はガス会社で10年ほど働いている現役ガス屋です。
ガスの使用量は性質上、夏が少なく、冬に多くなるものです。ガス料金も寒くなるにつれて、少しづつ高くなっていきます。
年で1番寒い2月頃は、夏場と比べて、倍の料金になることも珍しくありません。
これは、給湯器でお湯を作る場合の水温が関係しています。
夏場は水温が高く、お湯を作るのにパワーを使いませんが、冬場は水温が低く、設定温度にするまでに大きくパワーを使います。
そのため、夏場より冬場の方がガスを多く使うことになるのです。



でも、なんとかしてガス料金を節約したい。
おすすめのガス料金の節約方法は、ガス給湯器を高効率のものに取り換える、または給湯器の使い方を見直すことです。



ガス料金はお湯を使用する量によって、金額差がでます。
給湯器の使用方法を見直すことにより、ガス料金を節約することができます。
この記事では、ガス給湯器の交換や使い方で節約する方法について解説しています。
給湯器の費用の仕組み


ガス料金は蛇口をひねってお湯が出ることで初めて発生します。
リモコンをONにしているだけでは発生しません。
ただし、ワンレバー混合水栓・サーモスタット水栓の場合は、注意して使用しないと給湯器に火がつきます。
体感は水でも実は、お湯が出ていて、ガスを消費してしまうことになります。
ワンレバー・サーモスタット水栓の場合


確実に水を使用する方法は、ワンレバー水栓の場合は、一番右側(水側)で使用すること。サーモスタット水栓の場合は、温度設定を0℃の目盛にあわせて使用することです。
2ハンドル水栓の場合


2ハンドル混合水栓の場合は、お湯側バルブをひねらない限り、お湯が混ざることはありません。



水を使用する場合には、ガス料金が発生することはありません。
給湯器を交換する(エコジョーズ、ハイブリッド給湯器)


従来型の給湯器から熱効率の高いエコジョーズに交換することにより、年間で1万~1万5千円程度ガス料金の節約になります。
従来型の給湯器に比べ、熱効率が高くなるように設計された給湯器のこと。
エコジョーズは排気熱を再度回収して使うため、ガスの使用量が抑えられます。
熱効率も従来型が80%程度であるのに対し、エコジョーズは95%となり、エネルギーを無駄にすることなく効率的に使うことができる仕組みです。
費用は20号追い炊き付き給湯器で、従来型の給湯器だと工事費含め、10~15万円で購入できます。
対して、エコジョーズは20万円前後かかることになります。
20号給湯器とは、給湯器のサイズで「水温+25℃のお湯を1分間に出せる量」です。
1分間に20L出せれば20号となり、号数の大きさに応じて、同時に使用できるお湯の量が増えます。
給湯器の号数(サイズ)
ガス給湯器はサイズが16号、20号、24号とあり、16号から順に同時に使用できるお湯の量が増えます。
以下は号数(サイズ)の選び方のめやすです。
給湯器のサイズ | 同時使用 | 家族の人数 |
16号 | 1か所 | 1~2人 |
20号 | 2か所 | 2~3人 |
24号 | 3か所 | 4人以上 |
ランニングコストも考えて、エコジョーズに変更すると、年間1万2千円ガス料金が安くなると仮定します。
1か月1,000円ガス料金が、安くなる計算になります。
ガス給湯器の寿命は、約10年と言われているため、10年でガス料金が10万円安くなれば、差額分の元は十分とれると思います。
ハイブリッド給湯器に変更する


ハイブリッド給湯器とよばれる高効率給湯器に変更する方法もあります。
しかし、ハイブリット給湯器は、本体価格が高額です。
ヒートポンプ(電気)とエコジョーズ(ガス)を組み合わせた、新しい形の給湯器です。
初期費用が大きいことが、難点ですが、暖房や床暖房にも使用することができ、ガス使用量自体は大幅に削減できます。
熱効率は、エコジョーズを内部に使っていることもあり、100%を超えます。
ランニングコストを考えても、安くならないケースが多くあります。一般家庭にはあまりおすすめできません。



世帯の人数が多い場合や、お湯を大量に使用するご家庭は、検討しても良いと思います。
給湯器の交換に関する注意点


こんな方には高効率給湯器(エコジョーズ・ハイブリット給湯器)はおすすめできません。
・一人暮らしの方
・お湯をあまり使わない方
エコジョーズやハイブリット給湯器は本体代金、取り付け工事費が従来型よりも高額になります。
もともとあまりお湯を使わない家庭では、交換したところでほぼ元が取れません。
これでは、無駄に高価なものを取り付けただけになっていしまいます。
給湯器の使い方で節約


給湯器に使い方を見直すことにより、節約ができます。方法は以下のようなものがあります。
・風呂水位を下げる
・追い炊きの回数を減らす
・保温時間の設定を0時間に
・お湯を湯船にためずシャワーにする
・シャワーヘッドを節水型に交換する
・食器を洗う際にゴム手袋をして水で洗う
風呂水位を下げる


風呂をためるときに水位を少し下げることにより、節約ができます。
実は、浴槽のお湯はほとんどの方が多くためすぎているんです。
給湯器の設定は初期で180Lに設定してあります。これで7分目~8分目になることが多いのではないかと思います。
お湯につかるのに実際、そんなにお湯は必要ないんです。5~6分目ほどあると充分です。



減らすお湯の量を40Lとすると、5分間程度お湯を出しっぱなしにするのとだいたい同じになります。
追い炊きの回数を減らす


追い炊きの回数を減らすこともガス料金の節約になります。
毎日1回追い炊きをしていると、毎日1人2回ずつ、お風呂に入っていることと同じになります。
ガス料金が高くなるのは当たり前です。
対策として、家族が同じ時間でまとめて風呂を済ませてしまうことです。沸かした後は、あまり時間を空けずに入ることです。
また湯船の温度はすぐ下がってしまうため、保温シートを使うなどして工夫しましょう。


保温時間の設定を0時間に


ガス給湯器にはふろ自動という機能があります。
自動のボタンを押すと浴槽にお湯を自動でためてくれます。
ふろ自動にはお湯をためた後、保温する機能があり0~8時間の間で設定しておくと、お湯の保温をしてくれます。
保温時間の設定は、設定時間の間追い炊きを行うことにより、一定の温度を保ちます。
初期設定は、4時間に設定されており、その間必要ない追い炊きが行われます。
自動で沸かしなおすたびに無駄なガス料金がかかってしまいます。
保温が必要なければ0時間、少しだけ必要な場合は1時間ぐらいを設定しておきましょう。
長い時間空けて風呂に入る場合は、追い炊きを使用しましょう。



なるほど!
うちは4時間のままになってたな。もったいない…
お湯を湯船にためずシャワーにする


お湯を湯船にためずにシャワーを使用するだけで節約ができます。
夏場にシャワーだけで済ますとガス料金が安くなるのを経験したこともあるのではないでしょうか?
180Lのお湯をためるガス使用量⁼シャワーを15分間出しっぱなしのガス使用量
湯船に180Lのお湯をためることは、シャワーで計算すると、約15分間お湯を出しっぱなしにするのと同じガス使用量になります。
シャワーで15分間お湯を出しっぱなしにして洗うことは、特に男性の場合あまりない状況だと思います。
基本的にこれは、夏場の節約方法になります。
冬場も浴室暖房などの設備があれば、浴室を暖めて、シャワーで済ますことも可能です。
逆に、シャワーを出しっぱなしにして、15分以上使用していると、湯船にお湯をためるのと同様のガス料金がかかってしまいます。
シャワーヘッドを節水型に交換する


風呂にシャワーヘッドを節水型のものに変えることで簡単に節約ができます。
そもそもの使う水の量を減らすことによりお湯の量を減らし、ガスの使用量が少なくすみます。



メーカーや製品によっても違いはありますが、性能が良いものだと従来より50%ほど節水できるものもあります。
通常のシャワーヘッドと同じように交換するだけなので、どなたでも簡単に交換することができます。
ネットや量販店でも手に入れることができるのですが、適当に選ぶことはNGです。
・節水量
・水圧の強さ
・手元でのストップボタンの有り無し
製品によってこのあたりのポイントが大きく違います。特に水圧は好みがわかれるものなので、しっかり比較検討しましょう。



僕は水圧は強くないと嫌だな
食器を洗う際にゴム手袋をして水で洗う


最終的には力技です。 アナログな節約法を紹介します。
冬場のガス料金が高い原因の1つは、食器洗いにお湯を使用することです。
お風呂で使うお湯も、キッチンで使うお湯も同じようにガス料金がかかります。
お風呂のお湯は気をつけて節約しているのに、なぜかキッチンではお湯をどんどん使う方が多いです。
水で洗うのは冷たくて無理ならば、厚手のゴム手袋をして水で洗いましょう。
さいごに


給湯器の使い方で節約するにあたって、一緒にガス料金のプランの見直しも行うと効果的です。
今現在の契約プランの確認と、もし地域の相場よりも高いプランになっていないかどうか確認しましょう。
相場よりも高い料金プランになっていた場合は、プランを変更することや、安いガス単価で契約できるガス会社を探すこともできます。
電気の契約もセットでおこなっている会社もあるため、いくつか比較契約することが重要です。